甲状腺疾患|なかつる内科クリニック|京都市 上京区 晴明町

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甲状腺疾患

甲状腺疾患とは

喉ぼとけ(甲状腺軟骨先端)のすぐ下にあり、気管の全面を取り囲むように位置している器官です。大きさは上下方向に3~5㎝、重さは15~20グラムしかないのですが、身体全体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンを分泌する非常に重要な臓器なのです。甲状腺ホルモンのサイロキシン、トリヨードサイロニンは、全身の新陳代謝や成長促進に大きくかかわっており、このホルモンが無くなると1~2か月しか生きられなくなると言われています。

甲状腺疾患の主な症状

  • 最近、疲れやすくなった
  • 身体がむくみやすくなった
  • 首に腫れがある
  • 安静にしているのに心臓がドキドキする
  • 手の指などが細かく震える
  • 暑がりになり、水をよく飲むようになった
  • 身体が冷えやすくなった
  • よく食べるのに痩せてきた、逆に食欲がないのに太ってきた
  • イライラしやすくなり、落ち着かないことが増えた
  • 肌が乾燥し、カサカサする
  • 朝起きたとき、顔や手がむくんでいる
  • 長い間、便秘の状態が続いている
  • 昼間も眠く、居眠りしてしまうことがある
  • 月経不順になった など

当クリニックは甲状腺疾患を数多く診療しています

当クリニックでは、甲状腺専門医・日本内分泌内科専門医である院長が中心となり、バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患、副腎の疾患、内分泌疾患、糖尿病や脂質異常症などの代謝疾患を数多く診療しております。

上記のような症状のある方は、お気軽に当クリニックを受診してください。

甲状腺の主な疾患

バセドウ病 橋本病(慢性甲状腺炎) 無痛性甲状腺炎 亜急性甲状腺炎 急性化膿性甲状腺炎 粘液水腫 手術後甲状腺機能低下症 甲状腺腫瘍 嚢胞 腺腫 甲状腺がん(乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がん)、悪性リンパ腫 副腎疾患(原発性アルドステロン症、アジソン病、褐色細胞腫) 内分泌性高血圧 下垂体疾患(下垂体機能低下症、先端巨大症、プロラクチノーマ) など

バセドウ病

バセドウ病とは甲状腺ホルモンの分泌が過剰となる代表的な病気です。甲状腺ホルモンが過剰になることにより、身体の様々な部位の代謝が活発になりすぎ、安静時でも動悸や振戦などが起こったりします。男性よりも女性に多く、特に20~30歳代の女性でよく見られます。中年以上の女性の場合、更年期障害と間違えられることも少なくありません。

主な症状は、びまん性の甲状腺腫大、脈拍数の異常な増加、手の震えです。その他、暑がりになる、汗をかきやすくなる、顔つきが変化する、眼球突出、体重減少、倦怠感、無月経などの症状が出ることもあります。

このような症状が見られたときは、バセドウ病の検査を行います。企業健診や自治体健診などの一般血液検査でLDLコレステロール値が異常に低かった場合も、この病気が疑われますので、必要な検査を行います。

具体的には、問診・触診に加え、バセドウ病の確定診断につなげるための血液検査を行います。血液中の甲状腺ホルモン値や、TSH受容体抗体の有無などを確認します。また、シンチグラフィー検査やエコー検査によって他の疾患を除外します。

主な原因

高血圧症となる原因については、完全に解明されたわけではありません。本態性高血圧症は、遺伝的要因のほか、塩分の摂りすぎ、喫煙、過度の飲酒、運動不足、精神的ストレスなどが重なることで血圧が高くなってしまうと考えられています。
主に内分泌疾患の結果として、高血圧症となる場合を二次性高血圧症といいます。原発性アルドステロン症は、最も頻度の高い二次性高血圧症の原因疾患です。若年・急な発症・難治性・腎機能障害のある高血圧などは、原因疾患が潜んでいないかを精査しましょう。

橋本病

橋本病とは自己免疫の異常によって甲状腺に慢性的な炎症が続き、甲状腺ホルモンの合成能が低下する代表的な疾患です。甲状腺のびまん性腫大や、甲状腺ホルモンが減少すると、新陳代謝が低下し、疲労感などの症状が現れます。九州大学の橋本策博士が1912年に発表した症例報告に基づいて橋本病と命名されました。

主な症状は、倦怠感、気力の低下、冷え、便秘、肌のむくみ、脱毛、月経過多などです。全体的に無気力状態となり、元気が無くなります。

診断にあたっては、甲状腺ホルモン値の低下、甲状腺自己抗体(Tg抗体、TPO抗体)が陽性であるか、エコー検査で甲状腺のびまん性腫大や血流亢進がみられるか、などで判断します。

主な治療法

橋本病の根治療法はありませんので、対症療法を行います。甲状腺機能が低下しているならば、甲状腺ホルモン薬(T4製剤)を補充します。

また、日常生活では、ヨードを多く含む海藻類などを控えるようにします。

亜急性甲状腺炎

甲状腺に炎症が起こる疾患であり、甲状腺に痛みのあるしこりができます。風邪で上気道に炎症が起こった後、甲状腺ホルモンの増加に伴って喉の辺りが痛むケースがよく見られます。動悸、手の震え、倦怠感など、甲状腺機能亢進症の症状が出現することもあります。診断にあたっては、エコー検査や血液検査が行われます。

一般的には、症状が軽ければ治療の必要はないと言われています。但し、発熱やのどの痛みがあるときは、消炎鎮痛剤を服用した方がよいでしょう。痛みが強い場合は、ステロイド薬を用いることもあります。甲状腺中毒症状が現れたときは、抗不整脈薬などで対症療法を行います。

無痛性甲状腺炎

甲状腺の細胞が破壊され、甲状腺ホルモンが血液に漏れ出てしまう疾患です。バセドウ病の寛解期や橋本病の経過中に発症するケースがよく見られます。動悸や発汗、体重減少などの症状が現れることもありますが、通常は時間が経過するに伴って症状は改善します。しかし、動悸や手足の震えが強い場合は、β遮断薬などの薬剤を使用します。経過中に甲状腺機能低下症を発症したときは、甲状腺ホルモンの補充療法が行われることもあります。

急性化膿性甲状腺炎

甲状腺に侵入した細菌が増殖し、急性の炎症を引き起こす疾患です。甲状腺は食道や気管との交通が無いため、通常は細菌が入り込むことはありません。しかし、先天的に異常な経路が存在する場合には甲状腺に異物が流れ込み、炎症を起こしてしまうのです。20歳未満に多い疾患ですが、高齢での発症例もあります。

治療にあたっては、抗菌薬による薬物療法、切開して膿を排出する方法が主に行われます。

甲状腺腫瘍

首の付け根などにしこりが出来て腫れてくる疾患です。濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫、嚢胞などの良性腫瘍と、乳頭がん、濾胞がん、未分化がん、甲状腺悪性リンパ腫などの悪性腫瘍があります。当クリニックでは、甲状腺エコー検査や穿刺吸引細胞診などで診断を行うことが出来ます。